最高裁判所第二小法廷 昭和33年(あ)938号 決定 1960年6月06日
主文
本件各上告を棄却する。
理由
被告人柴山悦次郎の弁護人屋成正二の上告趣意は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反、事実誤認の主張に帰し(なお、被告人柴山の本件所為は、曽根農業協同組合の事業の範囲外の貸付である旨の原判示は、相当である。)、被告人白石巻之助の弁護人屋成正二の上告趣意は、違憲をいうが、実質は事実誤認、単なる訴訟法違反の主張にほかならないものであって、いずれも刑訴四〇五条所定の適法な上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田 克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)